皆さん! こんにちは 補聴器ソムリエの洞です。
前々回、前回と“自宅で出来る簡単聴力測定”の方法をご紹介いたしました。
前々回(その1)の測定と前回(その2)の測定、どちらも重要ではありますが、特に前回(その2)の測定は大変重要なんです。 と言うのも、前々回(その1) の測定で結果が悪くても・・・
補聴器の調整 等で、何とか手の施しようもあるのですが、前回(その2) の測定で結果が悪いと・・・
どんなに高品質で高価格の補聴器を付けたとしても、言葉の理解度が良くなることはないのです。 特に測定の結果、20問中11問以上間違えるレベルであれば会話聞き取りの改善はまず見込めないでしょう。 大変重要と言ったのは“聞こえの将来”を大きく左右する測定だからなんです。
その可能性があります。 この簡易測定で思わしくない結果が出たら出来るだけ早くお近くの認定補聴器技能者にご相談ください。 これから便宜上、前回(その2)の測定結果のことを「耳の限界能力」と呼びます。 ただ、この「耳の限界能力」は難聴になってスグ悪くなる訳ではありません。 難聴になっても補聴器を付けずにそのまま放置していると時間とともに徐々に悪くなっていくものなのです。 ではここで“難聴の進み方”についてお話しいたします。 まず難聴になって直後の「第1段階」です。
普通の声の大きさで話されると言葉が聞き取りにくいですが・・・
大きな声で話してもらい、集中して聞けばハッキリ聞き取れます。 この「第1段階」とは、難聴ではありますが「耳の限界能力」の測定で全問正解された段階です。 ここで補聴器を始めるのが理想です。 満足のいく言葉の聞き取りを将来に渡り維持することが出来ます。 ですが、ここで補聴器を始めずに時間が経過していくと「第2段階」へ進んでしまいます。
普通の声の大きさで話されると言葉が聞き取れませんが・・・
大きな声で話してもらい、集中して聞いても聞き取れない言葉があります。 この「第2段階」は、「耳の限界能力」の測定で1~10問間違えた段階です。 ここで補聴器を始める方が最も多いのですが、実は補聴器を始めるのは少し遅いです。 ある程度の不自由の解消は可能ですが決して昔の聞こえに戻れるわけでは無いことをご理解ください。 補聴器の満足度が人によって個人差があるのは、「耳の限界能力」の測定で間違えた数によって左右されるからです。 間違いの少ない方は満足度が高く、間違いの多い方は満足度が低いです。 さらに、ここでも補聴器を始めずに時間が経過していくと「第3段階」へ進んでしまいます。
大きな声で話してもらっても、集中して聞いても言葉が理解できません。 この「第3段階」は、「耳の限界能力」の測定で11問以上(半分以上)間違えた方です。
「近付いてくる自動車の音が分かるように」という目的で補聴器をお考えであれば お勧めしますが、「話し相手の言葉が分かるように」という目的で補聴器をお考えであれば お勧めはいたしません。 ここで前回ご紹介した(その2)の測定の結果一覧表をもう一度見てください。
以前「たとえ難聴者でも補聴器の合う・合わないがある。」とご紹介いたしましたが、それはこういう理由からなんです。
そうお考えの方が非常に多いですが、実はそうではありません。 補聴器とは、その人の「耳の限界能力」を最大限引き出して不自由を解決する手助けをしてくれるもので、決して「耳の限界能力」をアップしてくれるものではありません。 ちなみに「耳の限界能力」は一部の特殊な疾病を除いて、良くなることはありません。
それについては次回お話しさせていただきましょう。
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