皆さん! こんにちは 補聴器ソムリエの洞です。
今回は“耳鳴り”についてお話しさせていただきます。 耳鳴りは日本人の中で約1500万人が経験しており、そのうち約300万人が重い耳鳴りに苦しめられていると言われています。 場合によっては不眠やうつ状態といった症状などにつながるケースもあるので注意が必要です。
“耳鳴り”の原因につきましてはストレス、寝不足、肩こり、薬の副作用等、様々な要因が挙げられますが・・・
と言われています。 ここでは難聴からくる耳鳴りに絞ってお話しさせていただきます。(その他の原因の方は申し訳ありません) 難聴からくる“耳鳴り”の症状は頭の中で「ジーーッ!」とセミが鳴き続けているようだと言われます。
セミは夏だけのものですが、これが一年中、昼夜問わず頭の中で鳴っていては相当なストレスでしょう。 お医者様に相談しても・・・
と言われた方も少なくありませんよね! では、そもそも難聴になるとどうして“耳鳴り”が起こるのでしょうか? 発生原因について分かりやすく解説してみましょう。 以前お話ししたように年齢とともに難聴になりますと「キーン!」という高い音から聞こえなくなってきます。
では高い音って具体的にどんな音があるでしょうか? 「キーン」という金属音? 小鳥の鳴き声? 鈴虫の鳴き声? 色々な音がありますが、こんな音も高い音です。
踏切の警報音や消防車のサイレンです。 人間は本来、高い音を聞くと注意が喚起されるという性質を持っています。
この性質を利用して周囲の人達に注意を促すため警報音やサイレンはあらかじめ高い音に設定されているのです。 では、これらの警報音やサイレンを加齢難聴者が聞きますとどうなるでしょうか?
加齢難聴者は高い音が聞こえませんのでこうなります。 加齢難聴者の内耳の中では高音を感知する有毛細胞が弱っているので高い音が正しく聞き取れないのです。
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このように注意を喚起されるべき高音が聞き取れない日々がずーっと続いた時、加齢難聴者の“脳”がこう思います。
と不安を感じた“脳”は音の伝わる経路を逆行して有毛細胞にこんな指示を出します。
指示を受けた有毛細胞は必死で高い音の情報を探しますが、能力を失った有毛細胞には高い音を感知することが出来ません。 あるのは血液が血管を流れる音だけです。 そこで・・・
これが難聴からくる“耳鳴り”の発生原因です。 聞こえないために脳が不安を感じて自ら“幻聴”を創り出しているのです。 元々難聴で外からの音情報が少ないため余計に“耳鳴り”が際立ってしまいます。 その結果、高音の“耳鳴り”によって常に注意を喚起され続けストレスが生まれます。 かと言え思ったように危険が察知出来ないので不安の解消されない脳は高音捜索の指示を出し続け、取り消さないのです。
まさに悪循環です。 これではたまったものではありませんよね。 “耳鳴り”とは聞こえないことに対する脳からの“SOS信号”だと思ってください。 ではこの“SOS信号”は何とかならないのでしょうか? 次回は“耳鳴り”の解決策についてお話ししましょう。
※ 分かりにくい耳鳴りを分かりやすく表現するために内容をデフォルメしてご紹介しました。 イメージを掴んでいただくことを目的として作成しましたのでご理解ご了承ください。 決して耳鳴りのある方が警報音が聞こえない訳ではありません。
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通りすがり (木曜日, 25 4月 2024 06:39)
とても分かり易い説明ありがとうございます。