皆さん! こんにちは 補聴器ソムリエの洞です。
今回は ② “耳鳴り”を発症して克服した難聴者の方々についてのお話しをしましょう。 さて“耳鳴り”は治すことは可能なのでしょうか?
と多くの耳鼻科の先生はおっしゃいます。 ですが当店のお客様の中にも“耳鳴り”を克服された方は大勢いらっしゃいます。 その方々にお話しを伺ってみますと・・・
と、おっしゃいます。 耳鳴りは消滅していないのでお医者様の言われる通り“完治”はしていませんが、耳鳴りを意識の外に追いやり、少なくとも 注意が喚起され続けることは“克服”出来たそうです。 実はこの状態が耳鳴り治療の“ゴール”と言われています。 ではどうやって“克服”出来たのでしょうか? その話しをする前に、以前耳鳴りとは“不安を感じた脳が発信したSOS信号”とお話ししました。 脳は大変優秀なアーティストとインテリの双子と思ってください。 とても賢いのですが、ひとつだけ大きな欠点があります。 それは・・・
ご主人様の命令をまったく聞かないのです。 自分たちの判断で勝手に何でもやっちゃうのです。 ですから・・・
とお願いしても・・・
という具合です。 この厄介者の脳を何とかするのは一筋縄ではいきません。 じっくり時間を掛けて説得していくしかないのです。 その説得手段として様々な方法が試されてきましたが、中でも最も効果的なのが、次の2つの説得手段と言われています。
すでに“耳鳴り”のある方が補聴器を装用されますと・・・
徐々に“高い音の情報不足”が解消されていき、徐々に脳が不安を感じなくなっていきます。 これが補聴器を使った脳の説得です。
その結果“耳鳴り悪循環”を断ち切ることが出来ると考えられています。
一方「TRT療法」とは、すでに“耳鳴り”を発症してしまった方に・・・
“耳鳴り治療器”を装着します。 “耳鳴り治療器”は見た目が補聴器と同じ形をしていますが、補聴器のように周囲の音声が聞こえてくるのではなく・・・
雑音が聞こえてきます。 その雑音の大きさは“耳鳴り”が完全に打ち消されてしまうレベルではなく“耳鳴り”がほんの少しだけ残るレベルに合わせます。 さらにこれに加えて・・・
耳鼻科のお医者様によるカウンセリングとお薬の服用との併用で治療を進めていきます。 その結果・・・
脳を説得することにより“耳鳴り悪循環”を断ち切ります。
ただし、この「TRT療法」は耳鳴り治療器を1日6時間装着して、半年から1年半続けて結果が出るもので、治療者の約70~80%の方の耳鳴りが改善されたと報告されています。
耳鳴りは完治は困難ですが、時間を掛けてしっかりやれば克服できる可能性はあります。 あくまでも可能性です。 70%~80%の成功率です。 次回は耳鳴りを克服できなかった難聴者についてお話ししましょう。
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