皆さん! こんにちは 補聴器ソムリエの洞です。
今回も当店の行っている取組みについてご紹介させてください。 当店では補聴器初めてのお客様に、購入前に“補聴器のレンタル”をして実際の生活環境で補聴器を試してもらうことをお勧めしています。
自動車を購入する前に試乗してみるのと同じで、事前の情報収集の一環として“補聴器のレンタル”は必要と当店では考えています。
いえ! 実は“補聴器のレンタル”をされないお店は結構あるんです。
いえいえ! そうではないんです。 レンタルをされないお店にも、それなりの理由があるんです。
理由はこうです。 まず、お店に難聴の方が相談に来られます。 ほとんどの難聴の方は高い音が聞こえにくくなっています。
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その方の耳に補聴器を試していただくことになります。 「若かった頃のように聞こえるかな?」って期待が膨らみます。 ですが補聴器を最初から若かった頃の聞こえに合わせてしまうと、一体どんなことが起こると思います?
食器や新聞をめくる時のような高い音、昔は普通に聞いていた高い音、難聴になって何年、何十年もご無沙汰していた高い音が久しぶりに耳に入ってきます。 するとその久しぶりの高い音が頭に響いてしまいます。 実はこれは無理もない、誰にでも起こる話しなんです。 要するに・・・
長い間、寝たきりだった人を急に起こしてマラソンを走らせたようなもので、長年お休みしていた動作は急に出来るようにはならないのです。 ではどうすればよいのでしょう?
まずは立ち上がって、歩いて、最後にマラソンが走れるようにしていくのです。 時間を掛けてゆっくりと確実に進めていくのです。 補聴器も同じことです。 初めての方にはあらかじめ・・・
大事を取って弱めの音量で聞いていただきます。 聞こえには満足されないかも知れませんが、少なくとも響くことは無い程度に合わせます。 「聞こえる!」よりも「響かない!」を優先する訳です。 中には、ここまで配慮してもなお食器の音が響くとおっしゃる方もあるんです。
聞こえを合わせるのはとてもデリケートな作業なんです。
一般的に補聴器は、まず弱めの音量でスタートして、聞こえる事に体が少しづつ慣れてきて響かなくなったら音量を少し上げます。 上げると少し響きますが、しばらくして響かなくなったらまた少し上げます。 これを繰り返して徐々にゴールに近づけていきます。 ゴールまでの期間は個人差がありますが、早い人で1ヶ月、長い人は半年~1年かかります。
比較的お若い方は順応性が高いので早くゴールされますが、高齢になればなるほどゴールまでの期間が長くなる傾向にあるようです。
そうなんです。 ですから補聴器をほんの短期間レンタルしたからといって最終的な補聴器の効果を実感することは物理的に不可能なんです。 だから良かれと思ってレンタルしても・・・
と感じられたり・・・
と誤解されたままレンタル期間が終わってしてしまう事はよくある話しなんです。 補聴器を始めれば遅くとも半年から1年後には快適な生活を手にできたのに、スタート時点で誤解が生じてしまったために1年後も不自由を強いられている。 お客様にこうなって欲しくないという思いから、あえて補聴器レンタルをしないというお店が結構あるんです。 決して悪気があったり、口先だけで売ってしまおうという考えではありません。
おっしゃることよく分かります。 なので当店では補聴器のレンタルをさせていただきます。 誤解は確かに怖いです。 一度生じてしまうと、どんなに説明しても言い訳と思われます。 ですがお客様の不安も理解出来ます。 そこで当店では下記文章をお読みいただき内容をご理解いただいた方に限りレンタルをさせていただくようにしています。
以上が補聴器レンタルを開始する前の注意点です。 何だか言い訳っぽい話に聞こえたかも知れませんが、何事も最初が一番難しいんです。 でも最初が一番肝心なんです。 ちゃんとスタートさえ切れれば後はスムーズに流れていきます。 もしあなたが補聴器をレンタルされる時は今日のお話しを頭の片隅に置いたうえで試してみて下さい。 試して初めて今日の話が「あっ! なるほど! そういうことか!」とご理解いただけると思います。
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