皆さん! こんにちは 補聴器ソムリエの洞です。
今回は“補聴器を失敗しないためのお店選びのコツの第3弾です。 前回までは「認定補聴器技能者が常駐する近所のお店を選びましょう」とお話ししてきました。 今回からはお店に入ってからのお話しです。 初めてお店に行きますと、まず問診を受けることになります。
現在の耳の状況を細かく質問されるはずです。 続いて耳の穴の中を確認されます。
耳の穴の中に、キズが無いか、耳アカが詰まって無いか、コマクに異常が無いか、チェックされます。 それが終わると聞こえの測定です。 聞こえの測定は少なくても3種類の測定を行います。 まずはヘッドホンを付けて“どれだけ小さな音まで聞こえるか”を調べます。
次にヘッドホンから耳の後ろに振動版を当てる別の機具に付け替えて“どれだけ小さな振動まで聞こえるか”を調べます。
最後にもう一度ヘッドホンに付け替えて“どれだけ人の言葉が聞き取れるか”を調べます。 これまでは“ピッピッ”とか“プップッ”とかの音や振動が聞こえるかどうかを調べましたが、今度はヘッドホンから“あ”とか“い”とかの女性の声が聞こえてくるので、それを復唱してもらい、言葉が聞き取れるかどうかを調べます。
この“問診”と“耳の穴の確認”と“3種類の聞こえの測定”が最初にお店に訪れた時に必ずしなければならない“5つの調査”です。 どれひとつ忘れてはいけないものばかりですが、これまで私が多くの販売店を見てきた経験上、どのお店もこの“5つの調査”が確実に行われているかと問われると、残念ながら行われていないお店が存在します。 中でも行われていない可能性の最も高い調査は⑤の“言葉の聞き取り”の調査でしょう。
この調査の結果次第で、補聴器を付けた時の効果(満足度)が分かります。 この測定結果が悪いと・・・
と思って補聴器をされたとしても満足いく効果は期待できません。 当然そのような方に補聴器を薦めてはいけません。 その見極めに必要な調査なのです。 その調査をしないという事は、補聴器を売ってはいけない人に売ってしまう恐れがあるということです。 この次に行われない可能性の高いのは、②の耳の穴の確認でしょう。
その次に行われない可能性が高いのは、④の聞こえの測定(その2)でしょう。
難聴者のほとんどは年齢が原因の加齢難聴で、若返りが不可能なように治ることは無いのですが、極まれに耳鼻科医の治療により治る可能性がある難聴の方がいらっしゃいます。 これら②と④の2つの調査は、その結果で、難聴治療の可能性があるかどうかを見極めることが出来ます。
当然、治療の可能性があれば、補聴器よりも治療が優先されます。 しかしこれらの調査が行われなければ、治療の可能性の芽を潰してしまうことになりかねません。
残りの①の問診と③の聞こえの測定(その1)は補聴器の販売に欠かせませんので、すべてのお店で100%行われるでしょう。 しかし、それ以外の②④⑤の調査は補聴器販売に繋がらなくなってしまう可能性があるので、あえて行わないお店もあるかも知れません。 そんなお店かどうかを見分けるために“5つの調査”が確実に行われるかをチェックしてください。
ではお店に行く前に、このページをプリントアウトするか、メモに書いて持って行ってください。 どれひとつ抜けてはいけません。 もし訪れた販売店で“5つの調査”のうちひとつでも行われないものがあったら、無理にそのお店にこだわる必要は無いかも知れません。 今回の間違いの無い補聴器販売店を選ぶコツは・・・
でした。
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