もしあなたが、耳鼻科のお医者様から「難聴」であり「治療は困難」と診断されたとします。
対処の方法は補聴器しか無いと言われました。 そこで、あなたは次の4つのうち、どの時点で補聴器を始めようと思いますか?
お医者様から「難聴(聞こえ難い)」と診断されたのですから補聴器が決して早いわけではありません。 いずれ老化現象は進みます。 どのみち補聴器が必要となります。 補聴器を始める準備をしましょう。
ここで始めてください。 難聴は自覚しづらい疾病です。 あなたが気付く前に、周りの方が先に気付きます。 たとえばご自宅で・・・
さらに外出時に・・・
あなたの気付かない間に、周りの人に不自由を強いているはずです。
補聴器は「ご本人様のため」と言うより、「話し掛けてくれる大切な人のため」にこそ付けましょう。
そもそも自覚しづらい難聴の自覚症状が出ています。 「あの人は何か言っているのは聞こえるけど、何を言っているのかが分からない!」という症状が出てきているのではないでしょうか? 「いつかは補聴器を」とお考えなら少し慌ててください。 ただし低価格の補聴器では効果が期待できない可能性があります。 無駄な買物を避けるためにも必ず補聴器を借りて効果を確認しましょう。
難聴発症から かなり時間が経過した今、あなたが期待している補聴器の効果と、実際の補聴器の効果との間に乖離があることが予測されます。 この乖離を埋めようとすると高額な補聴器が必要となる場合があります。 また、高額な補聴器でも困難な場合もあります。 それよりも、脳に音刺激が伝わり難くなった状況が長く続くと、認知症のリスクが高まると言われています。 今の時点で日常会話の改善にこだわるよりも、脳への音刺激を増やすことを目的とした補聴器選びをされることをおすすめします。
加齢による難聴は年々進んでいきます。 良くなることはありません。 しかし補聴器を始めると、その時点で難聴の進行を止める、または進行を遅らせることが出来ます。 特に「言葉を聞き取る能力」の衰えを抑制してくれます。
下のグラフを見てください。 これは片耳だけ補聴器をつけた患者様を対象に、補聴器を始めてから12年間の聴力測定の結果を「補聴器をつけた方の耳」と「補聴器をつけていない方の耳」に分けて集計した結果です。
補聴器を始めた時は言葉を聞き取る能力は両耳とも80%(10人に話し掛けられたうち8人が聞き取れる)でした。 12年後、「補聴器をつけた方の耳」は80%で悪くなっていませんが「補聴器をつけていない方の耳」は徐々に40%(10人に話し掛けられたうち4人が聞き取れる)まで悪くなっています。
補聴器を早く始めればそこで止まります。 遅く始めればそこで止まります。 この差は生涯埋まることはありません。
難聴になって長い間補聴器を始めないでいると、脳の中で必要な音(声)と不要な音(雑音)の分別が出来なくなってしまいます。 また言葉を聞き取る能力も徐々に落ちてしまいます。 そこで補聴器を始めるとなると、雑音の抑制機能や言葉をハッキリさせる機能が付いた高機能補聴器が必要となります。 当然価格が高くなります。 そうなる前に補聴器を始めると、それらの機能は必要ないので価格は安くなります。
難聴になると認知症を発症する確率が上がります。
英国の研究で「難聴が原因で発症する認知症は、補聴器をつけることによって、その発症を予防できる」という結果が発表されています。 治療ではありません。 予防です。 発症の予兆が現れる前に始めなければ予防にはなりません。 認知症発症の予兆と言えば、そのひとつに「難聴に起因する老人性うつ病」が挙げられます。 国内では「難聴者のうつ病の抑制に補聴器が有効である」との結果も発表されています。
補聴器をしないと28%にうつ症状が現れていますが、補聴器をすれば11%まで減少しています。 もう一度繰り返します。 認知症の予兆が現れる前に補聴器を始めなければ予防にはなりません。
その他、これらの健康上の問題点も国内で発表されています。 補聴器をしていない難聴者は、補聴器をしている難聴者に比べて・・・
という傾向にあると発表されました。
補聴器を早く始めると、これらのメリットがあります。 遅くなればなるほどデメリットが増えます。 「どのみち、いずれは」とお考えなら一日も早く補聴器を始めましょう。 それがご本人様だけでなく、周りの方々のメリットでもあります。