補聴器を選ぶうえで、“価格”は最も重要な要素の一つです。 補聴器にはお手頃なもの(4万円台)から高額なもの(片耳50万円以上)まで幅広いラインナップがあります。 ここでは「価格が違うと何が違うのか」簡単にご説明いたしましょう。
ほとんどの補聴器メーカーは価格を「5ランク」に分けています。 (メーカーによりバラツキがあります)
分かりやすく解説しますと、高額な補聴器は雑音が静かで、言葉がハッキリします。 安価な補聴器は雑音が入るので騒がしい場所だと言葉が聞き取れないことがあります。
補聴器をどういった環境で使うのかがポイントになります。 例えば“静かな屋内”だけで使うのなら安価なもので効果が期待出来ます。 騒がしい場所や人混みの中で使うのなら、ある程度雑音を静かにする機能が必要となります。
正常な人は聴こえた音を、脳で、言葉(要る音)と、雑音(要らない音)に分別して、言葉だけを聞き取ることが出来ます。 ですから騒がしい場所でも問題なく会話が出来ます。 難聴の人はこの分別が苦手です。 難聴になってスグの人は、まだ何とか分別出来ますが、難聴になって補聴器を付けない期間(聴こえない期間)が長い人は、分別のやり方を忘れてしまっています。
よく補聴器を初めてつけられた方が・・
とおっしゃるのは分別出来なくなっているからです。 ご自身の脳で分別できないとなると、あとは補聴器の方で分別するしかありません。
補聴器をせず放置している期間が長いと、高機能の補聴器が必要となります。
難聴のお話しをする時に「聞こえる-聞こえない」と「分かる-分からない」を分けて考えないといけません。 難聴の種類が違います。 「相手の言葉が聞こえない」のは“耳”に原因があります(伝音難聴)。 「相手の言葉が分からない」のは耳の奥の“神経から脳”にかけて原因があります(感音難聴)。
「聞こえない」場合、話相手の声を大きくすれば良いだけなので安価な補聴器で効果があります。 「分からない」場合は、分かり易くするために補聴器で話相手の声を加工します。 この加工技術を搭載すると補聴器の価格が上がります。
これらはあくまでも目安です。 実際は様々な価格の補聴器を試してみて、ご自宅で使ってみて、評価してください。